氷温技術 |
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「凍る寸前」で眠らせる....
今、さかんに研究が進められている「氷温技術」を簡単に言えばこうなるのでしょうか。鳥取県米子市 氷温研究所で開発されたこの技術は、氷点下=凍結であるという常識に疑問をもつことからスタートしました。 |
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はじめに・・・ |
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夏の早朝畑でかじるキュウリ、炎天下でかぶりつくトマト、脂ののった秋サバ・・・。
その季節だからこその代え難い味わいです。
八百屋や果物屋の店頭には年中さまざまな野菜や果物が並べられていますが、やはり旬のおいしさは格別 のものがあります。
古来から人々は、旬の時期に身近でとれるものを食べ、そしてその土地の風土を生かしながらよりおいしく味わえる工夫をし、さらに気候に合わせて保存するための知恵をしぼり、長い年月をかけてたくさんの傑作を生み出してきました。
寒さや雪を利用した雪納豆や凍み豆腐、凍み大根はその一例です。 |
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現在・・・ |
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現在、季節を問わず店頭に並べられる食品は、自然との関わりを失い機械処理されたものばかりになってしまい、味気ない気持ちで口に運ぶこともしばしばです。
何ものにも代え難い旬の味を特殊な技術でよみがえらせることができれば、いつも本当においしいものが味わえるはず。
実は今、夢のようなすばらしい技術がすでに開発されているのです。 それが「氷温」です。 |
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氷温とは・・・ |
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簡単にいうと、生物が凍る直前の温度のことです。私たちは零度になると、何でも凍ってしまうと思いがちです。
ところが、凍る温度は生物によって差があります。ほとんどの生物はマイナス一度から五度くらいの温度では凍らず、冬眠状態になります。ものによって異なる氷結点を調査・研究し、氷点下でありながら未凍結の温度領域を「氷温」と命名。
この温度域を「氷温域」といいます。氷温域では、生物は凍らないように体内から不凍液のようなものを出します。その不凍液が糖類であったり、グルタミン酸などのアミノ酸であったり。つまりおいしさの元なのです。
この氷温の状態を人工的に作ってやることで、生物のうま味を引き出そうというのが「氷温技術」です。最近は氷温技術が鳥取米に採用され、お米がとてもおいしくなると評判を呼んでいます。 |
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食品を氷温域で貯蔵すると、鮮度の保持期間を延ばせる上に、さらに旨味も大幅に増すことが分かりました。
その原因としては、温度を徐々に下げると動植物は凍るまいと生体防御反応を働かすことが考えられます。その過程で糖やアミノ酸が増加するのです。そしておいしく熟成されるのです。 |
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氷温米の旨味 |
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氷温熟成後の米を炊いたごはんは通常米に比べ、硬さ、粘着性、粘りの持続性、弾力性とも向上している。 氷温熟成米のアミロースや蛋白質含量に大きな変化はないが、電子顕微鏡で細胞を観察すると、アワ状・ジャリ状の構造が多数見られ、デンプン細胞がしっかりしている。 これは粘着性・弾力性に優れ、もちもちした食感の美味しいごはんに顕著に現れる状態である。
(3粒法により測定通常米を100とした相対比で表した。)
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炊飯後のごはんは時間の経過とともに乾燥して、パサパサした状態になるが、氷温熟成米は通常米に比べて含水率が高いためパサつきにくい。 米には炊飯時に湯気となって出て行く自由水と、米の中にしみ込む結束水があるが、氷温熟成米は微量に含まれるデンプン質と結束水が多く結びつくため乾燥しにくいと思われる。 つやつやふっくら、冷めてもパサつきにくいおいしい米になる。
(米1合を炊飯し20℃の恒温器内に放置)
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米はもともとアミノ酸含有量が少ないが、氷温熟成することによって旨味・甘みの成分であるアスパラギン酸、アラニン、グルタミン酸等の数値が上がる傾向にある。 なかでも糖の一種であるシュクロースが、貯蔵中も貯蔵後も少しずつ増加するため、氷温熟成後の米はほんのりとした甘みが特徴のおいしい米になる。
(食品分析酵素試薬使用 紫外線吸光光度測定法により測定)
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氷温米の食味官能評価 |
サンプル名 |
総 合 |
外 観 |
味 |
粘 り |
硬 さ |
基準米
(11年産 鳥取コシヒカリ) |
0.00 |
0.00 |
0.00 |
0.00 |
0.00 |
氷温米
(11年産 鳥取コシヒカリ) |
0.33 |
0.27 |
0.20 |
0.40 |
0.00 |
A |
0.07 |
0.07 |
0.13 |
0.07 |
0.13 |
B |
-0.47 |
-0.13 |
-0.13 |
-0.40 |
0.07 |
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専門機関に試験を依頼(-3〜+3点の7段階評価) |
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A・B:11年産 コシヒカリ(市場評価が高く、一般に美味しいと言われているお米) |
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■色を塗った評価点数は、統計上、基準米と有意差があったもの |
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粘り:粘りが強いほど点数が高い |
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硬さ:硬いほど点数が高い |
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※ |
このデータは、平成11年産米が収穫された年に行った食味官能試験です。
したがって、11年産米が当年度産米となります。 |
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氷温米の製造工程 |
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以下は、製造工程ラインの解説です。図の中のグレーの番号の部分を説明しています。
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1. |
粗選別機 玄米の中に入っているワラ、モミ、ゴミ、未熟粒等の異物を取り除きます。
(→右の図は、荷受ポッパー) |
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2. |
石抜機 玄米中の石、砂などを取り除きます。 |
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3. |
精米機 玄米から白米へは、精米工場の最も重要な工程です。お米を一粒一粒磨き上げ、水晶のような光沢を放ち、しかもおいしいお米に仕上げます。
(→右の図は、精米機サタケNCP75B) |
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4. |
白米調質機 米の食味を決定づける重要な要素の一つが水分です。精米の水分を調整し、品質と炊飯性に優れた美味しい白米とします。 |
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5. |
色彩選別機 着色粒(色のついた米)などの異物を色差により光センサーで感知しエジェクターバルブで噴射して取り除きます。 |
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6. |
マジックソーター コンピューター管理により選別精度が大幅に向上。色彩
選別機で選別不可能であった透明・乳白のガラスや樹脂・白い石を確実に取り除きます。 |
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7. |
ロータリーシフター 袋詰する前の白米から、砕粒、糠玉粉などの異物を完全に取り除き、粒を揃えます。 |
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8. |
金属検出器 高周波電磁界を利用した高感度検出機構で白米に混入した鉄・非鉄を確実に除去します。
(→右の図は、オートパッカー) |
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1.〜8.以外に、研究室(品質/炊飯/食味検査)(→右の図左側)と、製品出荷(→右の図右側)の写真です。 |
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氷温食品 |
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【お米】
氷温熟成された氷温米は鳥取県食を代表する食品です。
鳥取県産のコシヒカリの旨さを更に10%もアップした商品の味を是非ご賞味くださいませ。
当社ショッピングサイト「米屋 蔵吉よりご購入可能です。 |
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【らっきょう】
らっきょうの産地で有名な鳥取砂丘近郊で収穫された砂丘らっきょうを氷温処理する事で、シャキシャキした美味しいらっきょうが出来ました。
当社ショッピングサイト「米屋 蔵吉」よりご購入可能です。 |
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【梨】
長期保存が大変難しい梨ですが、氷温貯蔵で長い期間の保存が可能となり。収穫したてのみずみずしさを保つ事が出来ます。 |
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【一夜干し】
0℃以下の温度環境を活かして乾燥を行うと、しっかりと生の風味が生きている一夜干しに仕上がります。食感もパサつくことなく、しっとりしていて、「寒干し」の味わいが楽しめます。 |
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【白ネギ】
48時間から72時間氷温庫で熟成させた長ネギは、旨味や歯ごたえなどが向上し、冬ネギのような風味になります。 |
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